“満たされる”ことのバランス

報告書受領書の写しが届く。もう一つ完了した。外貨獲得で、合計50万円。この獲得のために、交通費およそ2万5千円。かかった時間がどのくらいか。1/20が交通費で、2ヶ月分としたら、獲得金で2ヶ月暮らしたことになる。

 週半分で、ほぼ同額を得れば、収入は倍となるから、これが目安だろう。すると、3日間で25万〜30万を得る仕事をつくり、こなさなければならない。土曜もとなれば、仕事というより、楽しみがなければできない話だ。

 上津橋プロジェクトも、県の口ぶりでは、無形無銭のギブ&テイクとして話が来ている以上、このまま進めれば、狭義のボランティアにしかならない。面白いプロジェクトだけに、いかに外貨獲得につなげるかは、思案のしどころか。公共との協同事業に対する助成金を得るのも一つか。もしくは、今回の成果をまとめる名目で、今から申請しても悪くはない。

 最近の課題は、NPO的に活動することで得るお金と、企業的に活動することで得るお金との違い。事業費として獲得する、例えば助成金の場合、労働対価(時間の切り売り)は対象とはならないことが多い。価値を生み出し、それを販売することが、何れにも共通した基本原理に思えるが、出資者の立場によって、使途に制限が加えられたものが助成金の世界には多いわけだ。自分の財布以外から経費を拠出してやりたいことをやる。というのもわかるが、それで得られるものは何だろう。知識的な血肉になっていくことは確かだが、労働対価ではないし、得るお金は、出たそれに見合うものが埋め合わされるだけだ。それでは空虚が埋まらない。評価をお金で得たいということのみではない。満たされることを求める上で、何を獲得すれば良いのか。そこを見つめなおし、見極めることが、今の自分には必要なのかもしれない。そうすれば、彼女の不安から発せられる言葉も、処理の如何を問わず、受け止められる気がする。

 想いを持続させることの出来る人。しかも無償で。こういう表現にはいささか抵抗があるものの、このピュアさを持っていれば、ミッションは純粋にボランティア(狭義)で継続可能だろう。しかし、活動を支える広義の原資が、当の事業で回収もしくは形を変えても得られるのであれば、視野は狭いかもしれないが、(収支)バランスが成り立っていることになるわけで、その点での精神的なバランスも得やすいだろう。この収支バランスを、個別事業の枠を超えて、全体で考えることの出来る人が、商売を出来る人なのかもしれないと、今気づいた。”帳尻を合わせる”と言うけれど、ある時間的な区切りの中で、結果的にバランスが取れていれば良いわけだ。ただし、”どんぶり勘定”とは違う。

 まずは、10万円/月を目標にすることから始めてみてもよいかもしれない。コーディネート、企画、プロデュース、何をしたくて、何が出来るか。”翻訳家”を目指していた自分が、何を伝えられ、どんな社会に変えられるか。それを試してみても悪くない。